環境機器、防災機器を手がけるフジワラ産業(TEL;06・6586・3388)は、火山噴火対策として、ガスやマグマのエネルギーを人工的に抜き、被害を最小限に抑えるユニークな構想を打ち出した。
この「FMガス&マグマ抜き工法」は、藤原充弘社長が昨年の御嶽山水蒸気爆発による大災害を見て考案。「地中に水蒸気やマグマの圧力が溜まって爆発するわけです。だから、爆発する前に圧力を逃がしてやれば良いのです」と。
水蒸気爆発には、火山の火口や斜面等からパイプを複数打ち込み、パイプを通して内部の圧力を外に逃がすことで大規模な爆
発を未然に防ぐ仕組み。マグマ噴火には、地中に広がるマグマ溜まりに海上の掘削船からパイプを打ち込み、マグマを人為的にゆっくり吐き出し、マグマの圧力を下げる。桜島、富士山の大爆発を防ぐことができるという。
同工法の特許を申請中。「海上油田の掘削などで基本技術は確立されています。荒唐無稽な構想ではありません。だから、特許も申請しました。実現には各分野の専門家など産官学の英知を結集し、国のご指導のもと火山被害を軽減したい」と。
広島での土石流災害をきっかけに、室内をクッション素材で覆った「噴石・土石流シェルター」も開発。フジワラ産業では、津波避難タワーをはじめ安心防災ベッド枠、災害救助道具セットなどを開発、多くの販売実績を持つ。
「大半の人は天災には勝てないと思っていますが、負けたらだめ。知恵を出さないと…」と藤原社長。中小企業らしい夢のある構
想が、一石を投じている。
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