◎世界的な和食ブーム
世界的な和食ブームで、日本の食材が注目を集めています。日本のラーメンやカレーも、海外では立派な日本食として受け入れられ、大変な人気になっているようです。
突然の世界的な日本食ブームのお陰で、息を吹き返しつつあるのが日本酒業界です。これまで、国内でも日本酒よりオシャレなワインが飲まれ、青色吐息でした。それが、一気に元気を取り戻しつつあります。
◎いち早く海外に活路
世界市場で日本酒が注目を集め、大手メーカーは日本の輸出に力を入れ出しています。先日、奈良県にある日本酒メーカーを取材しましたが、そこでも海外市場への期待が高まっていました。
ただ、こちらの会社は海外市場に目をむけたのは、昨日今日のことではありません。13年も前から海外市場に活路を求めて、輸出に力を入れておられました。
◎122年で新参者
創業122年の会社です。100年を超える歴史のある老舗と思っていたら、「日本酒業界ではまだまだ新参者ですわ。だから、ヨソと同じことをしていては勝てません。違うことをやろうと考え続けています」と5代目女性社長さんです。
最近、有名蔵元でも女性の杜氏が活躍する時代です。女性社長は決して珍しいことでもありません。が、100年企業を舵取りされている30代の若い女性社長でした。しっかりされておられます。
◎20ヵ国以上に輸出
輸出の話に戻しましょう。ヨソと違うことをしないといけないと、いち早く海外へ輸出されました。今では、輸出比率は15%に達しておられました。
多分、日本酒業界でこんなに高い輸出比率を実現されているところは、そんなにないと思います。米国、台湾、香港、アジアや欧州など20ヵ国以上に輸出されていました。
◎リキュールに力
輸出商品もちょっと変わっています。日本酒よりリキュールが中心でした。こちらの蔵元では、果実を日本酒で仕込んだリキュールに力を入れておられます。
その代表的なものが、梅酒です。全国にも出荷され人気を呼んでいます。このほか、ゆず、みかん、桃などのリキュールも商品化されています。今では日本酒よりリキュールの方が、売り上げ比率が高くなっています。
◎挑戦する青年の気持ち
そのリキュールが海外でも人気だそうです。日本酒だけのころは、夏場は暇で仕方なかったそうですが、今は年中つくれるリキュールと海外への販路開拓で、年間を通じて安定した売上げを確保されておられました。
100年企業でも新参者。新しいことに挑戦する青年の気持ちが大事です。いつまでも若い会社と思うことが、長寿の秘訣でもあるのです。人間と一緒ですね。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞