◎会社は何のために
会社は何のためにあるのか?戦後間もない、日本がまだまだ貧乏な時代。その答えは簡単でした。会社は「金を稼ぐ」「儲けるために存在する」と、ほとんどの経営者は答えていたでしょう。
でも、最近は違っています。会社は人を幸せにするために存在する。こうはっきりと答える経営者が増えています。先日、ある経営二世塾でもこのテーマが話題となり、ある2代目さんは話されました。
◎金儲けから社会に役立つ
「まだ、父が社長をしていたときに、ボクが“会社は社会のために存在するものでは…”と言ったら、おまえは何を言っているのか!と怒られました」と話されました。まさに、ちょっと前まではそんな経営者がほとんどでした。
でも、今は「金儲けのために会社があるんや」と言っていたら、えらいバッシングを受けることになるでしょう。会社のあり方は、時代と共にどんどん変化するものです。
◎環境と社会貢献
先日、取材しました古紙をリサイクルする製紙会社さん。社会貢献に真っ向から取り組んでおられました。「8年前の創業50周年のとき、次の100周年に向かうには、今の延長線上にはないと思い、経営理念から全てを見直すことにしました」と社長さんはおっしゃいます。
打ち出されたのは、環境と社会貢献でした。古紙のリサイクルですから、本来から環境企業といえます。さらに、もう一歩踏み込んだ社会貢献を始められました。
◎梅炭再生紙を商品化
和歌山で梅干のタネが産業廃棄物となり、梅のタネを炭化させたものを紙にすきこんだ梅炭再生紙を商品化されました。ステーショナリー、ブックカバー、ファイルなどに展開されています。
会社で発生するコピー用紙の廃棄物を集めて、再生してノートや紙ファイルにし、会社に戻す紙循環型リサイクルシステムも構築されました。環境活動の一環として、掃除にも力を入れておられました。
◎住民と川の清掃を
会社の横を流れる川を社員で掃除する活動もされています。20代の若手社員が毎月1回日曜日の午前8時から川の清掃活動を始められました。地元の住民も一緒に掃除をするようになり、今では約40人が集まるようになったそうです。
社会貢献のCSR室をつくって、「ふれあいはらっぱ」などの市民活動にも、積極的に参加されておられます。こうした環境・社会貢献活動を行うことで社員の意識が高まり、新商品開発のアイデアがたくさん出されるようになり、エコ検定やCSR検定に挑戦する前向きな社員が増えたそうです。
◎会社の発展、継続
情けだけでなく、環境や社会貢献も決して“人のためならず”です。会社の発展、継続にも大切なことです。会社は何のためにあるのか。もう一度考える時期に来ていると思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞