奈良でスーパーマーケットを展開する吉野ストア(TEL;0747・53・0688)は、地元への恩返しとして、移動販売車で山間部を巡回する。今では45地域、59カ所まで増え地域の元気づくりに貢献している。
2012年4月からは、過疎化、高齢化で買い物に行けないお客様のために3トン車の「ヨシスト号」を導入、山間部への移動販売を始めた。「先代社長がこの土地で商売が出来た恩返しの気持ちで始めました。その思いを大切にしたい」と安川光平社長。
それぞれの地区に毎週1-2回巡回、2人のスタッフが搭乗して接客。商品棚や冷蔵庫には、野菜、魚、肉の生鮮品から惣菜やジュースのほか、仏花、シャンプー、トイレットペーパーなどの日用品を含め、約800アイテムの商品をそろえる。
価格は、実店舗で販売している定番価格と同じ。お昼には、不足している商品を補充し、商品棚や冷蔵庫をいっぱいにして午後からの販売に備える。
「高齢者のお客様とは会話を楽しみながら荷物を自宅まで運んであげることも多いです」と吉田政己専務。注文受けた商品を届けるケースも増えている。
「移動販売車は商売の原点です」と、担当者以外にも新入社員、中堅社員も時々同乗して接客。ヨシスト号は社員教育につながっている。移動販売は、採算的には厳しいが、「地域住民が快適な生活を送っていただける
ように長く続けて行きたい」としている。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞