三和紙器(TEL;06・6492・6111)は、日本一清潔なクリーンダンボール箱の生産体制を構築した。青かびや異物混入の原因となる紙粉の除去自動装置を開発、食品や医薬品工場に提案する。
「ダンボール箱業界は価格競争の厳しい状況ですが、当社は安心、安全、清潔で勝負しています」と青山総一郎社長。ユーザーの安心、安全意識が高まる中、10数年前から取り組むのが、ダンボールに付着した紙粉除去の研究だ。
ダンボールは、製函ラインで切断などの際に粉、紙片、ヒゲと呼ばれる線状の紙クズが多量に発生。
紙粉から青かびなどが発生する可能性が高まる。
また、紙片や紙クズは、梱包、流通段階で食品異物混入の原因になるリスクも大きい。
開発したのは、ほぼ完全な形で紙粉を除去するシステム。湿度管理のほか、密閉された装置内では静電除去した強力なイオン風を強弱つけて当てるほか、微振動、集塵の仕組みなどにより、紙粉を除去する。
紙粉処理されていない通常のダンボール箱に比べて紙粉の量を15分の1に減少することに成功。
システムは連続生産ラインの中に組み込むことでコストダウンし、通常のダンボール箱とはほぼ変わらない値段で提供する。
紙粉処理技術については、大阪府知事、日本発明振興協会からも表彰を受けている。今後、この紙粉除去ダンボールをアピール、食品だけでなく医薬品、半導体工場などに本格普及を目指して行く。
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