◎中小企業が日本を担う
中小企業は、日本の経済を支えているとよく言われます。確かにそうです。トヨタの自動車だって、元をただせばほとんど中小企業の部品工場で製造されたものです。
住宅、繊維、食品業界も、大手企業のブランド売られています。が、その中身を調べてみると、多くは中小企業の手でつくられたもの。中小企業がモノづくりを担っているのです。
◎金属スクラップがITへ
先日、取材した会社では中小企業が担っているのは、モノづくりだけでないことを感じました。おじゃましたのは、金属スクラップの会社さんでした。
入り口にはトラックそのまま乗って計量できる装置など、スクラップ業らしいイメージです。そんな金属スクラップ会社が、IT関連の事業を始められたと聞いて、取材に乗り込んだわけです。
◎新しいことに挑戦する
社長さんは、ボクのことご存知でした。「竹原さんには以前取材してもらいました。覚えておられます?」と、いきなり逆質問されてしまいました。本当のところ、あまり覚えておらず、「いや…」と笑ってごまかしてしまいました。
だいたい一度取材に行った先は、覚えているのですが、かなり以前なのでぼんやりです。でも、この事務所の雰囲気は少し記憶にあります。社長さんは大変元気な方で、何か新しいことに挑戦されておられ、それを取材したようでした。
◎写真がその場でアップ
でも、今回はIT事業の話です。金属スクラップ業がまた、どうして、なぜ、ITなのか?興味津々です。元気社長のITの話を聞かせてもらいました。
そのビジネスとは、結婚式場などで参加者がスマホで撮った写真をその場で、前面のスクリーンにアップできるというWEBサービスです。スクリーンには、スクロールされて参加者が今撮影した一瞬のショットが次々と映し出されるのです。
◎ホテル向けに展開
ホテルにとっては、結婚式を盛り上げる新しいサービスとして注目。問い合わせが殺到しているそうです。お色直しの合間の時間帯に、前面のスクリーンに映し出します。「コレ今私が撮った写真や」と、その場が盛り上がるのは間違いないでしょう。
こんな素晴らしいサービスをなぜ金属スクラップ会社が提供できるのか。それは、人材にありました。
◎人材積極的に採用
「うちのような会社にはいろんなところから、こんな変わった人材おるんやけど、使ってもらえへんかと言われます」と社長さん。あまり、拒まずに積極的に採用されるそうです。
最初は馴染まない人もありますが、社長の豪快な雰囲気、人を包み込む力が奏功して、この会社に馴染むようになるそうです。そうなると、このような個性的な人材は、逆に思わぬ力を発揮してくれるのです。
◎変わった人材を戦力化
このWEBソフトを開発した社員も、実はバンドをやっていた音楽アーティストだったのです。このWEB事業に熱い思いを持って取り組んでおられました。
「中小企業には、優等生的な人は来ません。ちょっと変わった人材です。その人をどう戦力化するかです」とおっしゃいます。中小企業は、モノづくり、カネづくりも大事です。
でも、一番は、この会社のような人づくりです。変人もきっかけをつかむと、一気に成長します。これで、社員も会社も社会も幸せになれると思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞