◎ニュービジネスに出会う
これだけたくさんの企業取材をさせていただいていますが、それでも時々全く知らないビジネスに出会うことがあります。先日のあるスタートアップ企業のプレゼンテーションで、新しいビジネスを教えてもらいました。
そのビジネスとは、リファレンスレターでした。この言葉聞いて、え?何のことと思ってしまいました。社長さんのお話を聞いて、やっと分かりました。
◎人物評を聞くレター
企業が人材採用に当たって、採用候補者の友人、知人、上司や親戚などに手紙を出し、この採用候補者がどんな人物なのか、人物評を聞くレターでした。日本の企業ではほとんど採用していませんが、欧米企業や中国企業では、このリファレンスレターを採用するケースが増えています。
ところが日本の企業は、依然、履歴書、職務経歴書や面談で人材を判断、採用するしないを決めているのです。わずかな時間の面談で、その人物を目利きし、判断しないといけません。
◎能力や性格がより正確に分かる
そんなこともあってか、企業と採用者の間でのミスマッチが生まれ、採用してもすぐに辞めてしまうのです。採用候補者が前の会社に勤めて時の上司から、その人となりを聞くと、その人物の能力や性格がより正確に分かります。
わずかな時間の面談だけでなく、その人物を知る人のいろんな声を集めて、総合判断しようという仕組みです。確かに、その人物がより分かるようになります。
◎本音で書いてくれる
プレゼンされた会社は、これをクラウドを利用してインターネットで素早くやろうというビジネスモデルです。このリファレンスレターを誰に書いてもらうかは、採用候補者が選択、直接頼みます。上司、親兄弟でも良いそうです。
「親しい人に頼むと良いことばかりを書きそうで、本当の人物像が得られないのでは」と、社長さんのお聞きしました。そうしたら、「いやいや、結構本音でその人物のことを書いてくれます」とおっしゃいます。
◎個人で作成、自己アピールに
最初はレターを書いてくれる人にお金を出していたそうですが、「お金をもらうと逆に書きにくい」という声を相次ぎ、今はお金を払っておられないそうです。確かにそうかも知れません。お金をもらわない方が、本音で書けると思います。
最近では、個人が自分の周りの人に頼んでリファレンスレターを作成、採用面談の時に企業に提出されるケースもあるそうです。自己ピーアールの手段として有効かも知れません。
◎日本でも普及しそう
今のところ、ほとんど外資系企業から受注だそうですが、日本の大手企業でのリファレンスレターに注目しており、将来、普及する可能性ありありそうです。今回も良い勉強をさせてもらいました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞