◎地方の名経営者
取材でいつも思うのですが、隠れたところに、おもしろい、名経営者がおられます。それも、都心部ではなくちょっと離れた地方です。そんな経営者さん出会うと、編集の仕事をしていて良かったと思います。
先日は久しぶりに和歌山県へ取材に行って来ました。まあ、時々は行きますが、大阪から少し離れており、行くと1日仕事になってしまいます。
◎大きな立派なビル
今回は、ご紹介で3社を回りました。その中でも、記憶に残ったのがリモコン模型の会社でした。主にリモコンの車を販売されていました。
地方のリモコンショップ。商店街の中のある、少し古い感じの店構えを連想してしまいます。でも、お店ではなく大きな立派なビルでした。これは、ただ者ではないと思ってしまいました。
◎バイタリティーのある社長
見るからに元気、バイタリティーのある社長さんです。インタビューを開始しました。「いつからやっておられます?」とお聞きすると、「父が始めたのです。当初は普通の模型店でした」と。
「でも私が24歳のに、父に引退するなら、後を継ぐと言いました」と。父に引導を渡して、自ら後を継がれたのです。息子さんからの攻撃的な後継でした。
◎通信販売からスタート
確かにバイタリティーがあり、自信もあったのでしょう。当初は雑誌や新聞に広告を出す通信販売から始められました。
その後、米国にも子会社をつくってラジコン車の販売を拡大されます。積極的です。しかし、結果的にはうまくいかず、撤退されました。
◎ネット販売で売り上げ伸ばす
その米国ビジネスでの経験が、活かされることになりました。そのころには、米国ではインターネット販売が始まっており、日本でいち早くネット販売に着手されたのです。
よそがまだ、ネット販売をやっていない時期です。趣味性の濃いラジコン車です。ネット販売にぴったりで、一気に売り上げを伸ばされます。
◎自社商品の開発も
現在では、ラジコン関連商品約3000アイテムをネットで販売されていました。ヤフー、楽天、アマゾンなどの趣味カテゴリー分野では、いつもトップクラスの地位におられ、表彰状も飾られていました。
さらに、仕入れだけでなく商品開発に取り組れます。協力工場でラジコン車、エアガン、エアガン用バッテリーなどを自社ブランドで販売されました。
◎日本一の売り上げ実績
ラジコン車の製販一貫体制を構築され、日本一の売り上げ実績を誇っておられます。スタッフは10人未満ですが、高収益を上げる経営体質を確立されました。
社長さんのビジネスのコツをお聞きしました。「まず、お客様が買ってくれるか?そのこと考えます」と、消費者目線でのビジネスに徹しておられます。
◎一緒に発送業務の仕事
そんな考えから、社長さんは今も午前中は何もない限り、スタッフと一緒に発送業務の仕事につかれます。市場で何が売れているか?現場でマーケティング調査されるのです。
また、商品が安売りされないように、値崩れ防止にも力を入れられます。「2割以上も安く売る店があれば、大手でも供給をストップさせます」と、徹底されていました。
◎世界市場にも進出へ
今後は世界市場にも進出したいと、大きな夢をお持ちでした。独特の商売人です。松下幸之助を輩出した和歌山県。知恵のある隠れた名経営者がたくさんおられます。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞