竹原編集長の明るいコラム

中小企業のグローバル化本番!(Free)

産業ジャーナリスト 竹原 信夫

2011年1月22日

◎細る日本市場

 人口の減少、デフレ経済と日本市場は、どんどんと縮小しています。日本の中小企業とっては、国内市場だけを相手にしていては、先細りになってしまいます。

 「受注先の大手企業もどんどん海外移転を進めており、このままでは先がない」と、中小企業の経営者さんも海外市場に本気の目を向け始めています。そんななかで、海外市場にいち早く活路を見出し、元気な経営を進めている会社を取材しました。

◎奈良の竹針メーカー

 奈良県生駒市にある会社さんは、もともとは竹製の「しんし針」をつくっていました。「しんし針」とは、着物を洗ったときに干す道具です。竹の両先端に針があり、これで反物をピンと伸ばして干します。

ボクがまだ小さかった頃、ほとんどの家で、使われていました。でも、今は着物離れが進み、呉服の洗いを行う専門業者しか使用していないと思います。この「しんし針」での市場が激減したため、新しい商品を開発されました。

◎和から洋にシフト

それが竹製の編み針でした。毛糸でセーターやマフラーを編む、編み針です。同じ竹製なので、和服から洋服の市場に変えられたのです。でも、この編み針も、若いお母さんが編み物をしなくなったことで、市場が縮小してしまいました。

◎展示会の出展社に声

そこで、「国内市場だけではアカンと思って、海外へ売り込もうと欧米の展示会に行きました」と女性社長さんはおっしゃいます。ボクは、この話を聞いて、「展示会に出展されたのですか?」と聞き直しました。

そうしたら、「展示会に出るようなお金はありませんよ。見に行ったのです」と言われます。そして、「出展企業でうちの針を買ってくれそうなところに声をかけました」と。

展示会に見学に行くのではなく、その出展会社をターゲットに売り込まれたのです。名案です。

◎欧米から竹製針が注目

展示会で欧米の毛糸業者などに、竹製の編み針を社長自ら売り込まれたそうです。欧米では金属製、プラスチック製の編み針が主流ですが、日本の竹製の針は、「適度なしなり、弾力性があり、竹は環境にやさしいというイメージから興味をもっていただきました」と振り返る。

その結果、今では海外の業者10以上と直接取引することに成功、売り上げの半分以上は海外市場になったそうです。欧米では、高品質の同社のKAブランドが浸透し、編み物をされる人には知られた存在です。

◎世界には市場がある

「欧米もリーマンショックで不況になったでしょう。そのため、外へ出ずに家で編み物をされる人が増えています」と、需要は堅調なようです。アジアや欧米に目を向けると、まだまだ市場はあります。

中小企業にとっては、これからホンマのグローバル化を進めるときだと思います。メイドインジャパンに自信を持ちましょう。


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