岡谷熱処理工業(0266・23・4610)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と水素バリア膜の共同研究に乗り出した。地上での事業化に加え、将来月面基地での応用を目指す。また、金属系3Dプリンターなど新規事業に果敢に挑戦する。
長野県岡谷市に本社工場を置き、真空熱処理、PVD法のイオンプレーティングなど高精度のコーティング技術を誇る。従業員は33人で、コロナ禍で一時は売り上げが落ちたが、今9月期は4億数千万円を目指すモノづくり企業。
最先端の技術開発を目指し、「水素社会を意識したPVDコーティングによる超多層膜水素バリア技術の開発にも取り組んでいます」と滝澤秀一社長。
水素バリア膜研究の一環で、JAXAの第7回RFP(研究提案募集)に採択された。令和4年1年間かけてJAXAの実験場で紫外線、宇宙線、高温環境下での劣化などについて検証する。
「地球上での活用だけでなく、将来は月面基地での水素保存用に使われることを期待したい」と、宇宙ビジネスにも期待する。 また、「航空、医療分野でも貢献したい」と、金属系3Dプリンターの事業化も検討。
熱処理、コーティング技術を活かし、後処理を含めた総合システムとしての展開を検討している。
さらに、関西か中京・東海エリアへ工場進出、販売体制の構築などを進め、10年以内にも年商10億円、従業員60人体制を確立したい計画だ。
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