◆はんこ職人さんが個展を。
「今年5月末に5日間にわたり大阪市西区で『はんこと大阪の文学』をテーマにした個展を開催。小説に出てくる大阪のお店の屋号を、はんこに仕上げて展示するなど世界初の実用印章の個展で、200人以上の方に来ていただきました」
◆きっかけは?
「デジタル化の中で〝はんこレス〞が言われるようになりました。さらにコロナ禍となり、街のはんこ屋さんの経営環境は一段と厳しくなっています。大変化の時代、まず私自身がはんこに対する考え方を変えようと…」
◆というと。
「実印などのはんこは、本来自分を認証するものです。公に晒すものではなくタンスの奥に仕舞い、必要な時にだけ使う。苦労して技術を磨いてきた者には一抹の寂しさがあります。そこで職人から〝表現者〞を目指そうと」
◆アーティストですね。
「円形の印面の中に文字を刻む。認証機能ではなく、見方を変えれば素晴らしいデザインです。コロナ前のインバウンド需要が旺盛な中で、はんこをデザインしたTシャツもつくり販売しました」
◆はんこの可能性は。
「和のテイストを感じさせる商業デザインとして、ワインのラベルやパッケージのデザインなどへの活用が期待できます。今回の個展を通じ、はんこの役割を高めることで、街のはんこ屋さんが元気になって欲しいですね」
▶住所=大阪市中央区内平野町1-1-6
▶電話=06・6943・8003
▶プロフィール=1959年大阪市生まれ、2014年現代の名工、2017年黄綬褒章受章、納期2週間。
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