姫路市の駅弁老舗、まねき食品(TEL 079・224・0255)は、コロナ禍の中でベンチャー精神を発揮、多彩な連携をしながら新ビジネスに挑戦。2025年大阪・関西万博に向け「BENTOを世界に」と、日本の食文化“弁当の魅力”を発信する。
姫路市北条に本社工場を置く。創業は明治21年。姫路駅で日本初の幕の内駅弁を販売する一方、和風だしに中華麺の「えきそば」でも地元で親しまれている。駅弁だけで約50種類、常時定番の弁当は200種類以上に及ぶ。
時代のニーズを先取りし、オシャレなデザイナーズekibenまである。グループ従業員は約600人、年商はグループで約50億円の巨大弁当店だ。「コロナ禍で厳しい状況を経験しましたが、いろんな方との出会い、チャンスをいただきました。コロナが生んだご縁で新事業に取り組んでいます」と、6代目の竹田典高社長。“コロナになんか負けない”と、高速道路ビジネスへの進出、冷凍商品、SDGs弁当にも取り組む。
また、神戸ビーフステーキ弁当(冷凍)、崎陽軒とコラボした関西シウマイ弁当も発売、メディアでも大きな話題になった。新業態の店舗、今夏にはグループのショーワパッケージイノベーションオフィスもオープンと活発な事業を展開する。
竹田社長のもう1つの大きな夢が、「BENTOを世界に」だ。「日本独自の文化で必ずマーケットはあります」と、タイのサイアム高島屋に弁当店を出店した。今では1日100~200食が好調に売れているという。
インバウンドの外国人観光客に日本のBENTO文化をPRするほか、海外へ冷凍弁当の輸出も検討する。「通関、衛生面、食材など課題も多いですが、年内にも他のアジアの国で市場調査をやりたい」と話す。
2025年の大阪・関西万博を「BENTOを世界に売り込む好機」とし、弁当世界戦略のチャンスをうかがう。ベンチャー精神を持った老舗弁当店の挑戦は続く。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞