1653年創業の総本家小鯛雀鮨すし萬(☎06・6448・6435)は、歴史を大切に新商品にも挑戦。年末の阪神タイガース日本一では、錦糸卵と海苔“黄と黒”の縞模様「虎巻」で話題を集める一方、2025年の大阪・関西万博向けの新商品を準備中だ。
大阪市西区靱本町に本社を置く。令和5年に創業370年を迎えた大阪鮨の老舗。大手ホテルや百貨店で「すし萬」、芦屋店の「波沙鮓」と18店舗を運営している。
古くから続く「古傳桶詰」をはじめ「小鯛雀鮨」「大阪すし」と多彩な鮨で地元大阪では知られる。「出前からスタート、百貨店、お持ち帰り、レストランと時代に応じて変化。歴史はありますが古くさい鮨ではありません」と、小倉康宏社長。
大手食品メーカーから戻り、10年前に社長に就任。若手の人材育成、月替わりの季節メニューを社内コンペ方式で決めるなど社内改革を進める。
令和5年は、各店10食限定の創業370周年記念メニューを発売した。最近は近畿大学経営学部の学生と、訪日外国人旅行客向けのメニューを共同開発中だ。
令和5年の阪神タイガースのセリーグ優勝、続いて日本シリーズ優勝を記念し、2回にわたり「虎巻」を阪神百貨店限定で発売。「セリーグ優勝で230本完売、日本シリーズでは300本を完売しました」と。
大阪・関西万博では、大阪老舗の食品会社とコラボしたお茶漬けの素、炊き込みご飯の素を開発中。「日本人向けの味付けで勝負します」と、なにわの食文化を世界へ発信したい考えだ。
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