◎救助より映像優先の姿勢
今回の大震災。メディアの情報収集力の弱さを見せ付けてくれました。特別番組は良いのですが、出てくる情報は同じ内容の繰り返しばかりが目立ちました。最後はヘリからの情報が唯一の最新情報となり、テレビの司会者、解説者、視聴者横一線で情報を得るということになりました。
ヘリでの取材もエエですが、地上で困っている人がたくさんいます。少しの食糧でもヘリに積んで、上から落としてあげることは出来なかったのか。人命救助より映像優先の姿勢が、残念でした。
◎テレビは役立ったか?
日本のメディアどこか、おかしいように思います。被災地の映像を、何回も何回も流し続けていました。余震を含めて、連続して巨大地震が発生しました。大津波もやってきました。
その度に、緊急事態ですから、落ち着いて非難して下さいと、アナウンサーが叫んでいました。でも、実際の被災者ではテレビを見るような余裕はありません。逃げるのが精一杯です。
また、落ち着いてと言われても、落ち着けるものではありません。早く逃げたいと思ってしまいますよ。言葉だけが独り歩きをしているようでした。被災地の方にとっては、メディア報道は、ほとんど役立っていないように思えました。
◎過剰な被災地の報道合戦
テレビは被災地以外の人が中心で見ているという立場をしっかりと認識すべきです。臨場感の映像ばかりを追うのではなく、政府の対応、外国からの支援情報、日本全国からの支援、ボランティア活動など、そういった周辺取材に力を入れるべきです。
神戸震災でも、テレビ局のヘリの音が喧しくて、救命活動に支障をきたしました。民放が先を争って、ヘリを飛ばすのではなく、共同で一機飛ばせは良いと思います。
また、自衛隊のヘリの映像をもらうということで良いと思います。
◎世界のニュースや都知事選の報道
地震発生以降、全ての民放局は特番で地震放送を流し続けました。その内容は、同じ内容の繰り返しが目立ちました。ドラマやお笑い番組は取りやめて特番を流す。その判断は良いと思います。ただ、ほとんどのテレビ局は、ニュースの時間帯も、全く他のニュースは流さずに地震報道だけしか情報発信されませんでした。
これは、やはりおかしいと思います。地震の関連ニュースもあるでしょうし、世界情勢のニュースも流すべきです。都知事選の石原氏の出馬表明も、知りたいところでした。
◎新聞報道もイマイチ
テレビだけでなく、新聞報道もいただけません。翌日の朝刊は、大きな写真で死亡者1000人以上の見出しがだけが踊っていました。テレビの映像に、新聞は勝てませんよ。なぜ、いつまでも紙面の半分ぐらいをさいた写真を大きく載せるのか、疑問です。
新聞で知りたいのは、テレビでは時間的な制約もあり、やれないような突っ込んだ情報が欲しいのです。テレビと同じような映像感覚に訴える必要はありません。
◎知りたい!この地震で日本はどうなる?
それよりも、この地震で今後日本はどうなるのか、そんな話を経済、社会、政治面で読みたいと思いました。残念ながら、ビルや住宅卓の倒壊、工場が閉鎖、政府の行動など、表面的な内容の記事がほとんどでした。
日本のメディア、こんな緊急時こそ、本来のオピニオンリーダーとしての役割を発揮してもらいたいと思いました。
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