古くから幾度も津波に襲われた三陸地方に「津波てんでんこ」「命てんでんこ」という防災心得がある。東北地方の方言でたとえ親とばらばらになっても高台へ逃げ命を失うなという言葉である。
釜石市東中学校は、校舎が津波でのみ込まれたが、生徒達は自主的に高台へ避難し登校者全員の無事が確認され、「釜石の奇跡」とマスコミからも賛辞を受けた。
古くからの伝承が生かされた事例であり、文部科学省はこの事例に着目し「どうしたら生き残れるか」自ら判断して自主的に行動できるよう防災教育にとり入れる方針である。
我々中小企業もいつ大津波に襲われるかわからない。用心を重ね経営の教訓として「命てんでんこ」を学ばねばならない。
今秋、同窓会で鳥羽の街で宿泊したが、翌朝ここでも防災訓練が行なわれた。かつて熊野水軍の本拠地であり、ご当地出身歌手、鳥羽一郎の「兄弟船」に歌われる家族の絆こそが海に生きる人々の全てであろう。
真珠や伊勢海老など豊かな恵みに感謝しつつ、自然への畏敬に合掌する男達の崇高な姿に出合えた。
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