◎百年企業が続出
今年は創業100年を迎えた会社が全国で1960社もあるそうです。大阪でもシャープ、ヤンマー、通天閣観光、吉本興業などが、節目の100年を迎えます。ボクは、吉本興業のお笑い総合研究所のコンサルティングフェローに就任していることもあり、先日、吉本興業の100周年イベントに参加してきました。
といっても、祝賀パーティーに参加してのではなく、吉本新喜劇とはちょっと違ったシリアスなお芝居。この4月から始まった、吉本興業の歴史をお芝居にした「吉本百年物語」。その第一弾「大将と御寮ンさん・2人の夢」でした。
◎吉本吉兵衛とせいが創業
これから毎月シリーズ化して開催し、吉本の発展の歴史を芝居でアピールする試みです。今回は創業者の吉本吉兵衛と妻の吉本せいの創業時のお話でした。
吉兵衛の実家は箸の大店でしたが、芸人道楽が高じて家業を倒産させてしまいました。吉兵衛役には陣内智則さんが抜擢されていましたが、なかなか上手な演技をされていました。
◎雨が降ったら10銭に値上げ
小さな小屋を借金して買い取り、これまで半額以下の5銭という破格の低料金で小屋の運営を始められます。吉兵衛は芸能には詳しいですが、商売ベタ。そこを妻のせいがカバーして、うまい商売をどんどん始めます。
雨が降ったら、10銭に値上げして、「傘を買う値段で、お笑いの雨宿りができますよ」と客寄せします。普通は雨が降ったら、値段を下げてお客様を集めようとしますが、逆の発想です。
◎M&Aで成長
その後、大阪の小さな小屋を次々と買収して広げて行かれます。芸人さんは、一流の超有名人ではなく、1・5流の芸人さんで商売されます。安くて楽しめるエンターテイメントを狙われました。
小屋の買収は、今のM&A戦略です。借金したお金で次々と小屋を買収して、規模を拡大。これにより、芸人さんを各小屋で登場させ、効率の良い運営を進められました。
◎大きな夢、意志、掃除
吉兵衛とせいは、2人で大阪一のお笑い芝居小屋を目指されます。2人には、経営者には絶対必要な大きな夢があったのです。厳しい経営環境でも、強い意志を持って成長の道を歩まれます。
もう1つ気づいたのは、2人が大店をつぶして住み始めた長屋での出来事。最初に何をしたのか、汚い部屋を二人で一生懸命に掃除を始めるのです。
他の長屋の住人も、あまりにもきれいになったのを見てビックリします。元気な会社の共通点の1つ、掃除好きがこの2人にもありました。
◎AKB48よりヨシモト
こうして見てくると、強い意志、大きな夢、掃除好きなど元気企業の共通点が吉本興業さんにもやっぱり備わっていました。次回の5月講演は、横山エンタツ、花菱アチャコの活躍を中心にした「キミとボクから始まった」です。
これもオモシロそう。東京のAKB48もエエですが、大阪の吉本百年物語は経営の勉強にもなります。中小企業の社長さんにぜひ見てもらいたいと思っています。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞