◎便利なお掃除ロボ
最近、テレビを見ていると米国製のお掃除ロボットがよく登場します。ロボットですから、スイッチをオンにすれば、後は自動的に部屋中をぐるぐる回って、キレイに掃除をしてくれます。そして、電気が減ってくると、勝手に電源の場所に戻って、充電してくれるのです。
「これは便利ですね。このロボットがあれば、外へ出かけている間に、キレイに掃除をしてくれ、本当に助かりますね」。テレビの画面からそんな声が聞こえてきます。米国製のお掃除ロボットは、今、日本の市場に急速に浸透しています。
◎日本メーカーは再挑戦
そんな米国製の大躍進で、日本の家電メーカーも、お掃除ロボットを次々に開発しています。声で返事をするお掃除ロボットなど、何とか米国製に負けない商品を開発したいという、日本メーカーのあせりが感じられます。
日本のメーカーにすれば、米国製に比べて遜色のない技術力は、以前からずっとあったと思います。でも、日本メーカーはひと昔前に、この市場にチャレンジして、うまく行かなかった経験かがあり、今回は出遅れる結果となったようです。
◎掃除に対する意識変化
なぜ、うまく行かなかったのか。ひと昔前の日本人なら、「こんなお掃除ロボットなんか必要ない、人間には手も足もあるのだから。ばかげたものをつくって」と惨憺たる反応だったと思います。でも、今は違うのです。「これは便利」と受け入れてしまうのです。
ボクが問題だと思うのは、この日本人の掃除に対する意識の変化です。
◎掃除はキレイにするだけではない
実は、掃除をすることはただキレイにするだけのものではありません。心や精神を磨くことでもあります。大阪商家の“丁稚の門掃き”などは、まさに教育の一つの手段でもありました。
ボクは毎日、大阪の住吉大社にお参りして事務所に行きます、一人のおばあさんはいつも、無心に掃除をしておられます。人からやらされるわけではなく、掃除をすることで、元気をもらえ、今日も一日楽しく過ごせると思って掃除をされているのでしょう。
◎大商と経営者掃除大学開校
このコラムでも何回も書いていますが、元気な企業は、3Sや5S活動をやっておられるところが多く、工場や事務所はピカピカです。掃除することで、会社の業績が上がる、とも言われています。
そんなこともあり、大阪商工会議所さんと一緒に「経営者掃除大学を開校」することになりました。掃除を一生懸命することで、経営者・社員の心も磨かれます。工場、職場でキレイな環境が生まれると、気持ちも良くなります。やる気も出ます。
◎掃除ロボ、嬉しいような悲しいような
ボクはこれが掃除の成果だと思っています。ただ、キレイにするだけなら、お掃除ロボットで十分です。結果も大事ですが、そのプロセス、しんどいことをしっかりやって、良い結果が生まれる。こんな嬉しいことはありません。
日本市場でお掃除ロボットがどんどん普及する動き。嬉しいような、悲しいような気持ちです。経営者掃除大学で一緒に学び、卒業者をいっぱい出したいと思っています。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞