◎会長には2つのタイプ
会社経営で成功された中小企業の会長・社長には、2つのタイプがあるように思えます。70歳前後の経営者さんで、今もまだまだ現役社長として、ビジネスに邁進しているタイプ。
もう1つは、功なり名を遂げたとして、何か社会に役立つことをしたいというタイプです。 どっちが良いとか、悪いとか、いう問題ではないと思います。
◎社会貢献に一生懸命
ただ、若いときに、一生懸命になって会社を大きくされた人ほど、晩年は息子に事業を譲って、何か人の役に立つことに一生懸命になっている会長さんをよく見かけます。
先日、京都府亀岡市で会長さんも、典型的なこのタイプの人でした。不動産からスポーツ施設の経営、酒店、園芸センターまで幅広い事業を展開されています。
◎紫芋で町おこし
事業は息子に任され、会長さんは地元の商工会議所の会頭を務めておられる地元の有名人でもあります。
この会長さん、今夢中になっているのが紫芋でした。パープルスイートロードと呼ばれる品種で、筑波の研究所で開発されたものです。亀岡の農地で栽培されていますが、この土地に合ったようで収穫量が毎年増えています。
◎焼酎を開発
「亀岡を元気することいっぱい考えています。紫芋もその1つです。地元の特産品にして町おこしに取り組んでいます」と、会長さん。やる気満々で、いろんな商品を開発しておられます。
その期待の商品が焼酎でした。 「この芋は腐りやすくてね。当初、保管していたらすぐに腐ってしまうのです」と。酒店を経営されていることもあって、酒造業者に相談し、芋を醗酵させて、芋焼酎をつくることを思いつかれました。
◎味噌、おかき、ジャムなど
3年かけて焼酎を研究し、ついに開発されたのです。「ブランデーのように香り高く、後味のキレが良いのが特徴です」と自信満々です。京都特産品にも認定され、関西地区の百貨店でも販売されています。
紫芋にはアントシアニンがたっぷりと含まれており、身体にも良いそうです。開発は焼酎だけにとどまりません。その後、焼きも、味噌、おかき、ジャム、コロッケ、カレー、きんつば、甘酒にも紫芋を入れた商品を開発、販売されています。
◎どれも美味しかった
取材では、「まあ、1つ食べてみてください」と、たくさんの商品を試食させていただきました。どれも、美味しい出来栄えでした。
今後、メディア露出などその辺をうまく工夫すれば、亀岡の紫芋は一気に全国へ広まる可能性は大いにあると思います。
◎日本を考える財界人いない
昔は大手企業の財界人が、本気で日本を考えていました。今は、ほとんど見当たりません。
この会長さんのように、後継者にバトンタッチされた中小企業の経営者さんこそ、こんどは会社ではなく、地元のため、日本のために頑張ってもらいたいと思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞