◎ボクの街角ウオッチング
ボクは取材の一環として、ボクなりの街角ウオッチングをやっています。時々タクシーに乗りますが、その時には運転手さんに必ず、「最近はお客さん増えていますか」とお聞きします。
そうすると、ほとんどは、「いやー、まだまだ景気悪いですよ。厳しいですね」とおっしゃいます。この何十年間は、ずっとこの調子です。ボクの街角ウオッチングでは、タクシー業界の景気回復の兆しは見えません。
◎“システムと人”の両輪
そんななか、先日、取材しましたタクシー会社では、リーマンショック以降も売り上げを順調に伸ばしておられました。はやり、そこにはよそにはない創意工夫がいっぱいありました。
“システムと人”の両輪で元気な経営されていました。「10年ほど前から全社が一丸となって仕事ができるようになり、職場環境が見違えるように良くなって来ました」と社長さん。
◎環境美化とタクシーをピカピカ
そのきっかけになったのが、やっぱり掃除です。社長と社長の息子さんは、まず、駅前のタクシー乗り場周辺の環境美化と自社の自動車のボディをピカピカにしようとされました。
経営者が先頭に立って、積極的に取り組まれたのです。当初は、ドライバーは知らんぷりだったそうですが、協力する人が一人、また一人と増えたそうです。
「高級ワックスで当社のタクシーはいつもピカピカ、タクシー乗り場のタバコのポイ捨てもドライバーがしっかり拾ってくれています」と、おっしゃいます。
◎GPS配車システムを導入
続いて、大阪府下でいち早くGPS配車システムを導入されました。お客様から迎車の電話を受けると、その場所に一番近い車を自動的に見つけて連絡。ドライバーに自動音声で3回知らせ、住所などの文字情報も配信されます。
タクシーがお客様の場所に到着するまで、どのくらいかかるか5分、10分、15分の間隔でお客様に知らせることができるのです。お客様も到着時間が分かるため好評だそうです。
◎ユニークな指名
また、お客様がドライバーを指名するユニークな制度を導入、ドライバーのやる気を高めておられます。乗車されたお客様の見える場所に、そのドライバーの仕事に対する姿勢、趣味などを記載した「ドライバープロフィールカード」を掲載。お気に入りの乗務員をご指名下さいと書いてあります。
ドライバーのお客様への熱い想い、趣味が分かるため、「お客様がドライバーに話しかけやすくなり、コミュニケーションが深まりました」と、お客様には好評だそうです。たくさん指名を受けたドライバーは、仕事に対する意識がさらに高まることになるそうです。
不況業種のタクシー会社だって、やりようによっては、元気な経営ができるのです。不況業種はありません。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞