◎劣悪な職場環境だった
時代の流れの中で、企業のあり方、職場も大きく変わってきました。戦後の経済成長期には、社員は少しでも豊かになりたいと、劣悪な職場環境でも頑張ったものです。
ボクが新聞社へ入社したのは、大阪万国博覧会の翌年でした。職場環境は、今とは雲泥の差でした。とりあえずエアコンはありましたが、ふだんでも利きが悪く、さらに午後6時を過ぎると切れてしまいます。
◎どこも似たり寄ったり
当時は記事を書くのは、パソコンではなく原稿用紙です。エアコンに代わって、扇風機を回すのですが、これで机の上の資料や原稿が飛んでしまいます。
だから、扇風機は天井を向けるので、風は飛んできません。汗だくになって原稿を書いていました。
でも、こんな状況は新聞社だけでなく、どこも似たり寄ったりの状況でした。とても、快適な職場環境ではありませんでした。
◎カロリー計算の社員食堂
ところが、最近は職場環境がびっくりするほど良く。昼寝のコーナーがあったり、卓球台のようなものも置かれていたりもします。犬がいて癒しの雰囲気をつくっているところもあります。
社員食堂も充実。カロリー計算をした美味しい料理がずらりと並んだ羨ましい食堂もあります。
◎創業者が構図・下絵
先日、おじゃました人材派遣会社さんでは、オフィスに大きな壁画がありました。
高さ4メートル、幅15メートルで天井にも広がる巨大なオフィス壁画です。「でっかい壁画ですね。誰が描かれたのですか」とお聞きしました。そうしたら、創業者が構図・下絵を行い、芸術に取り組む若者が中心になって描き上げたということでした。
◎障がい者のギャラリーも
この会社さんは、淡路島で若者をゲンキする「ここから村」のプロジェクトを展開。芸術活動を志す若者に“半農半芸”をコンセプトにした地域活性化を目指しておられます。
そこのメンバー9人が創業者と一緒につくり上げたものでした。淡路島の春夏秋冬をテーマにした素晴らしい作品でした。
本社ビルには、このほか1階に障がい者が描いたギャラリーもあり、2階には陶器などの作品も販売されている。会社を丸ごとアートにされていました。
◎働きやすい職場づくり
そこで働く社員さんは、本当に楽しそう、イキイキと仕事をされていました。身体が楽な働きやすい快適な環境だけでなく、気持ちも快適になる職場環境が整備されていました。
急成長企業でも、入社3年でほぼ半分が辞めてしまう会社もあります。それでは、本当にいい会社とは言えません。社員が働きやすい職場とは、空調設備が整っているとか、給与が高いという時代は終わったようです。
◎自分が成長できる職場
今は、働き甲斐のある職場、イキイキと自分が成長できる職場、人に自慢できる職場ではないでしょうか。社長が先頭に立って、オフィスの壁に絵を描くのは素晴らしいことだと思いました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞