◎失敗は成功のもと
事業を行っていると、成功する時もあれば、失敗することも少なくありません。言ってみれば、成功には失敗がつきもの。失敗は成功のもととも言われます。
でも、失敗は好きかというと、ほとんどの人は、大嫌いと言うでしょう。出来れば、失敗なんかしたくはありません。経営者さんで、社員に対して「向こう傷は追わない」と、失敗を許す経営者もおられます。
◎大失敗賞を創設
実際に失敗すると、社内的には「あの社員が失敗したお陰で…」と重苦しい雰囲気つくってしまったりもします。先日、取材におじゃましたモノづくり企業さんも、あるとき1人の社員の判断ミスで5000万円近い穴を開けてしまいました。
「社内の重くるしい雰囲気を断ち切りたい」と、社長さんは大失敗賞を設け、その社員に金一封を差し上げたそうです。社内の雰囲気が変わり、もらった社員も気分を切り替えることができました。前回のマイナスを取り返そうと、リベンジされたそうです。
◎チャレンジするから失敗
これをきっかけに毎年、社員の優秀表彰制度と並行して、大失敗賞を続けるようになりました。社長さん自身も、大失敗賞をもらわれました。大失敗賞を数回もらった社員もおられます。
大失敗をもらった社員は、その後、昇進するケースが多く、今では幹部社員に登用されておられます。「大失敗賞をもらう社員は、率先して新しいことにチャレンジしているからです。そういう社員こそ大事にしないと」と社長さん。
◎約20の報奨制度
最近では、大失敗賞のほか、中失敗賞、小失敗賞も創設されました。また、大チャレンジ賞、中チャレンジ賞、小チャレンジ賞もつくられました。マスコミにも、こちらの大失敗賞を取り上げ、有名な会社になってしまいました。
でも、社長さんは少し不満です。約20のいろんな賞を設けているのに、マスコミは大失敗賞しか取り上げないからです。「本当はこちらの賞を取り上げて欲しい」と、おっしゃたのが「縁の下の力持ち賞」でした。
◎大事なのは地道なこと
社長賞や大失敗賞のような派手なことはありません。地味な賞です。「毎日一番に会社に来てシャッター開けてくれる社員、ときどき職場に花を飾ってくれる社員。こんな社員こそ、しっかりと褒めてあげて欲しい」とおっしゃいます。
マスコミは目立ったこと、好きですが、本当に大事なのは地道なことです。この社長さんは、大失敗賞に浮かれることなく、地味な貢献をしている社員にもスポットライトを当てておられました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞