◎月曜日の話題は半沢直樹
テレビドラマ「半沢直樹」の大ヒットで、月曜日の取材は結構、このドラマが話題になります。まあ、分かりやすい筋書きですし、悪人、エエモンがはっきりしていますからね。
ボクの取材対象は、中小企業の社長さん。大半の社長さんは、大企業の組織をあまりご存知ありませんから、このドラマの内容が余計に気になるようです。
◎全くウソではない
「ドラマであるような、あんなえげつないこと、ホンマにやっているのですかね」と、本気で聞かれます。そういうボクだって、新聞記者の経験は豊富ですが、金融機関で働いたことありませんから、詳しいことは分かりません。
ただ、聞くところによると、派閥争いは結構あるようですし、社内でのケンカで物が飛んでくることもあるそうです。行員さんは、私たちの前では丁重な言葉遣いですが、行内では荒っぽい言葉が吐かれているのも事実です。
◎日本の組織少しヘン
そうは言っても、これはドラマですし、視聴率を稼がないといけないので、かなり誇張された内容にはなっているでしょう。銀行の社宅だって今は、あのようなことはないらしいです。
ドラマだから、まあ楽しく見てもらえれば良いのでしょう。が、どうもボクは日本の組織が少しヘンではないかと思います。部下の手柄を上司が横取り、上司の失敗を部下に押し付ける。
いくら立派な組織体制をつくっても、これが現実なら笑うしかありません。大企業の組織、どこか歪んでいると思います。
◎倍返しの構図
先日の柔道の体罰だってそうです。権力を持った人間が、感情のおもむくまま下級生を殴り飛ばしているそうです。先輩が後輩を、上司が部下を徹底的に痛めつけています。
それを辛抱して、今度は自分が上級生になり、社内で権力を持つようになると、学校では下級生を、会社では部下をいじめるのです。まさに、“倍返し”の構図です。
◎なぜ、抗議をしない全銀協
日本の大企業がホンマに、こんなことをしているようでは、世界の企業とは戦えないでしょう。組織論以前の問題です。中小企業の場合は、組織が小さいし、権力あるのは社長一人だけなので、まだ安心ですがね。
このドラマを見ると、若い人は金融機関へ就職したくなくなると思います。あまりにもドラマの誇張が大きい?それなら、全国銀行協会は正面きってテレビ局に抗議をすべきだと思います。黙っているようでは、やっぱりそうか、と思われてしまいます。
◎日本の軍隊はもっとひどい
先日、あるご高齢の経営者さんが、兵隊時代の話をされました。「軍隊もひどいところでしたね。古手の上等兵が革のスリッパで意味も無く殴ってきました。自分で殴ると手が痛いので、新兵同士にお互いに殴らせるのです」と。
「ちょっと手加減すると、もっと強く殴れと徹底的にやられました」と振り返られます。このほか、軍隊での陰湿ないじめの話をたくさん聞かされました。
◎倍返しより恩返し
確かに日本の組織には、こんな嫌なところもあります。ただ、仕返しの倍返しだけでなく、助けてもらった人にはお返しする、“恩返しの精神”も持っています。
2020年の東京オリンピックに向かって、日本の組織も、少しはまともにならんとね。半沢直樹は、おもろいなと喜んでいたらあきません。組織論ではなく、組織で働く人を磨く、人づくりこそが大事です。そうでないと、いつもでも三流国家のままですよ。
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