中小企業は倍返しよりも恩返し　(Free)

2013年10月20日

◎大手企業は同じ？

　テレビドラマ半沢直樹の大ヒットは、中小企業のビジネスにも影響を与えています。ある鉄工所の社長さんは、真剣な顔で、「大手金融機関では本当にあんなことが起こっているのですか」と聞かれました。
そのボクの答えは、「いやー、テレビドラマに仕立てていますからね。誇張はされていますが、まあ、似たり寄ったりのことやっているのでは」と。そして、「別に銀行だけではありませんよ。大手企業ではあんな雰囲気は大なり小なりありますよ」と、好き勝手に答えています。

◎土下座シーンも注目

大企業におられる方には、申し訳ありません。ただ、若い頃は経済部の記者として、大手企業の取材を担当。広報スタッフからよくホンネのつぶやきを耳にしていたものです。だから、そんなに違ってないと思います。
半沢直樹では、土下座のシーンが印象的でした。中小企業の社長さんが土下座をして融資をお願いするシーン。最終回では役員が半沢直樹に土下座をするシーン。芝居がかっていましたが、日本独特のお詫びの仕方、土下座がメディアでも注目を集めました。

◎倍返しがアチコチで

でも、実際には中小企業の社長さんが土下座をして謝ったり、何か頼んでおられる場面に、出会ったことはありません。土下座も、テレビドラマ仕立てということです。
半沢直樹のテレビドラマでもう一つ気になるのが、例の「倍返し」のセリフです。中小企業の会合などでも、社長さんのあいさつの中で、「昨年は大変厳しかったですが、今年は倍返しで売り上げを伸ばしています」など、うまいこと倍返しのセリフを挟まれます。そうすると、会場はワッと笑われます。

◎倍返しは復習だけでない

ほとんどの経営者さんは、「倍返し」の言葉には敏感です。ただ、その使い方です。ドラマでは、やられたからやり返す、復讐の意味が強いです。
でも、逆もあります。貧乏なときに、「成功したら倍返しさせてもらいます」という、エエ話での倍返しのセリフも。それで言うなら、「恩返し」の方が正確かも知れません。

◎おもてなしに続け！

中小企業の経営者さん、恩返しの精神を持っておられます。若い時に助けてもらった修行先の社長さん、取引先の社長さんを大事にされています。
　「やられたら、やり返す」より、「以前助けてもらったから、今度は相手が困っておられるので助けてあげる」の恩返しの方が良いと思います。
　「おもてなし」に続いて「恩返し」を広めたいと思いました。